��へぇ�囑�に立つ知識
-　冠婚葬祭編　-

結婚式での主賓のご祝辞

そもそも、披露宴という形式が出来上がった背景には、地域の「冠婚葬祭」という、「10のつきあい」があります。
冠、婚、葬、火事、建築、旅行、出産、水害、病気、年忌というのがいわゆる10のつきあいです。このうち、「火事」は近隣に延焼をおよぼす、また「葬式」は死んだら仏になるということから、誰もがつきあわなければならない項目となりました。
けれども、本当に大切なのは、残りの8つの項目。この8つのうちのひとつでも義理を欠くと、次からは村中から除け者にされるということから「村八分」という言葉が生まれたのです。
「葬儀」「火事」以外のつきあいが閉ざされ、孤立させられるということは、現代社会においては、想像するよりも遙かに厳しいことですよね。
私たちは農耕民族でした。皆で水田に水をはり、苗を植え、育て、あらゆる災害から稲を守ってきました。つまり、私たちは、地域の仲間の助けを借りなければ生きてはこられなかったのです。
「つきあい」というのは、社会生活において全てといってもいいほど重要なことであり、その中でも、特に大切なのが「婚」＝「結婚式」です。子供として守られてきた時を過ぎ、地域の中で役割を担うことができると自ら宣言し、新しい戸籍を持って、名実ともに親から独立するという、人生においての、とても大きな区切りなのですから。その意味を理解せず、入籍だけで済ませる傾向にある現在は…、日本の由緒ある伝統や国民性が失われていくようで、さみしいことだとは思いませんか？
喜びは皆で分かち合い、悲しみは皆で慰め合う…そんな社会がしあわせと言えるのではないでしょうか。